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『人口減少・少子高齢化の時代』 『労働力』②

『労働力』①でご紹介したように1990年代半ばからの景気低迷を受けて日本経済は大きく後退しました。

負のスパイラルによる『失業時代』は長く続き、日本経済を苦しめましたが、ここに来て大きな転換期を迎えています。

「団塊の世代」が定年退職する事により、『人手不足』に経済潮流が変わったのです

この根本的な変化『人口減少』は今後も、更に進行します。

 

私達の生活を支える、経済活動を維持成長させるには『労働力』の見直しが急務です。

『労働市場の未来推計』によると、2025年には卸売・小売業で188万人、情報通信・サービス業で482万人の人手不足が発生すると予測されています。

 

『労働力』②では国際比較と題して、日本よりも人口の少ない先進国と経済データの比較をしながら、『人手不足』の時代への対応策『労働生産性』について掘り下げます。

 

生産性とは、投入量(インプット)と算出量(アウトプット)の割合を意味する言葉です。

つまり、「どれだけのリソースを投入し、どれだけの成果が得られたか」を意味します。

労働生産性とは、就業者一人当たりの付加価値額(成果)や生産数量(産出量)の算出に用いられる、労働投入量(ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源)に対する産出量の割合を指す労働効率の用語です。

一般的に労働者一人当たり、または時間あたりの産出量で表現されています。

国際比較

 

国民一人当たりの国内総生産(GDP)は

国の豊かさを図る指数とされています。

 

2018年の日本のGDPは431万円で36か国中17位

でアメリカの7割強、英国、フランスとほぼ

同水準でイタリアをやや上回る水準となった。

 

日本の国民1人当たりGDPは、1990年代初めにOECD加盟国中6位まで上昇し、主要先進7 カ国で米国に次ぐ水準になったこともあったが、

経済的停滞に陥った1990年代半ばから他 の

主要国に遅れをとるようになった。

2000年代になると主要先進7カ国の中でも下位に落ち 着くようになり(最下位が常連)

OECD加盟36カ国で比較しても、1970~1980年代半ばとほぼ同じ17~19位 程度で推移するようになっている。

 

 

 

国民1人当たりGDPによって表される「経済的豊かさ」を実現するには、より少ない労 力で多くの経済的な成果を生み出すことが欠かせない。それを定量的に数値化した指標の1 つが労働生産性である。

2017年の日本の就 業者1人当たり労働生産性は、84,027ドル837万 円であった。OECD加盟36カ国の中でみると、 21位にあたる。これは、ニュージーラ ンド76,105ドル/758万円を上回るものの、英 国89,674ドル/893万円やカナダ93,093ドル /927万円、OECD平均95,464ドル/951万円をやや下回る水準である。また、米国127,075 ドル/1,266万円と比較すると、概ね2/3程度 となっている。

 

2017年の労働生産性が最も高かった アイルランドの労働生産性水準は1980年代くらいまで日本と大きく変わらなかったが、1990年代後半あたりから法人税率などを低く抑え ることで米国の多国籍企業を中心に欧州本部・本社機能をアイルランドに相次いで呼び込むことに成功し、高水準の経済成長と労働生産性の上昇を実現した。
第2位はルクセンブルクは、人 口60万人弱で面積も神奈川県とほぼ同程度の小国ながら、これまでも非常に高い労働生産性 や1人当たりGDPを実現してきた。これは、アイルランドと同様に法人税率などを低く抑え て数多くのグローバル企業の誘致に成功していることに加え、産業特性的に生産性が高くな りやすい金融業や不動産業、鉄鋼業がGDPの半分近くを占める独特の産業構造による部分 が大きい。特に、金融業をみると、EU圏における富裕層向けのプライベート・バンキング の中心地の1つとして、数多くの世界的な金融機関が進出している。ただし、グローバル企 業に対する税優遇に対して欧州委員会から厳しい指摘がなされているのはアイルランドと同様であり、今後の対応いかんによっては同国の生産性水準も少なからず変動する可能性が ある。

労働生産性は、就業者1人当たりだけでなく、就業1時間当たりとして計測されることも多 い。特に近年は、働き方を改革して今までより短い時間で効率的に仕事を行う上でも、時間 当たり労働生産性の向上が重要視されるようになっている。

 

2017年の日本の就業1時間当たり労働生産性は、47.5ドル4,733円となっており、OECD加盟36カ国中20位であった。これは、 50ドル前後に並ぶカナダ53.7ドルや英国53.5 ドル、OECD平均53.5ドルをやや下回るくら いの水準である。日本の順位は、1980年代後半 から足もとにいたるまで19~21位で大きく変 わらないが、近年は英国やカナダとほぼ同じ順 位のあたりで推移している。

 

労働時間が1,300~1,500時間程度で日本より10~20%程度短いオランダ、ドイツ、 フランスといった国では、時間当たりでみた労働生産性が1人当たりでみるより順位が高く なっている。こうした国々は、時間当たり労働生産性水準も日本を上回っており、短い労働時間でより多くの成果を生み出すことで経済的に豊かな生活を実現していることになる。

特 に、製造業が盛んで産業構造が比較的日本と近いドイツは、1人当たり労働生産性でこそ第 13位だが、時間当たりでみると第7位となっている。

ドイツの年間平均労働時間は1,356時間 欧州諸国の中でも比較的短いが、これも長時間労働が評価されず、短い労働時間 内で仕事を終わらせるために無駄なことを極力省いて仕事を進める意識が高いことが背景にあるといわれている。

同様に、オランダも、年間平均労働時間が1,433時間と短い一方、時間当たり労働生産性 も69.3ドル6,900円でOECD加盟36カ国中第8位と高い水準を実現している。オランダは、同 一労働同一賃金を早くから実現し、副業を幅広く認めるなど、近年の日本で論点となってきた働き方を先んじて実践している。

 

それだけでなく、オランダでは、経済予測や政策分析な どを行う組織であるCPBが生産性や競争力に影響を及ぼす政策などの分析を行い、イノベー ションや労働能力向上、労働・生産市場の硬直性の改善、各種の資源再配分の適化などを 支援することにより、生産性向上を加速させようとしている。

もっとも、こうした生産性組織(National productivity board)の立ち上げは、オランダ単独で進 んでいるわけではなく、欧州委員会が加盟各国に設立を勧告したことが大きい。これは、オー ストラリアで行われてきた生産性向上の取り組みなども参考にしながら、EU加盟国で生産 性向上にこれまでより注力しようとしたものである。現状で生産性組織の立ち上げに動いているのは、オランダやフランス、アイルランドなど全加盟国の半分程度にとどまっているが、 EUとしては今後EU加盟国全てにこうした機関を設立し、欧州全域の生産性向上を加速させ ようとしている。 

 主要先進7カ国をみると、米国72.0ドル・7,169円/第6位とドイツ69.8ドル・6,955円/第 7位がやや抜きん出ており、フランス67.8ドル・6,748円/第10位が続いている。米国1,780時間のように日本より労働時間が長い国もあるが、日本の労働生産性を米国と比較すると、就業者1人当たり・時間当たりとも2/3程度の水準であり、主要先進7カ国の中で もデータが把握できる1970年からも低い状況が続いている。 日本の平均年間労働時間1,710時間はOECD平均(1,759時間)を下回るようになってい るとはいえ、これは比較的労働時間の短いパート労働者の増加による影響が大きく、2,000 時間を越える水準で高止まりしていたいわゆる正社員の労働時間が短縮に転じたのは、ここ数年のことである。

そう考えると、幅広い企業で取り組まれるようになってきた働き方改革が浸透する中で短い労働時間で業務をこなすための意識改革やビジネスプロセスの効率化が進めば、時間当たりでみた労働生産性の改善だけでなく、他の主要国との生産性格差の縮 小にもつながるものと期待できる。 

 

日本の場合、これまでのような長時間労働を前提とした働き方を是とする考え方が急激に変わりつつあり、より短い労働時間で効果的に働こうとする意識やビジネスの進め方が急速に浸透してきている。

また、深刻化する人手不足に対応して、銀行事務や小売の受発注、運送の集配業務など広範な領域でロボット化・システム化の取り組みが進んでいる。そうした省力化・自動化に資する取り組みが浸透すれば、これまでのような働き方が一変することに なるだろう。

そうした新しい変革をどこまで進められるかによっても、現状においてOECD 加盟国でも中下位にある日本の労働生産性水準や上昇率は大きく変化することになると考 えられる。 
 

【注釈】

労働生産性とは、労働投入量インプットに対して、どの程度の産出量アウトプットを生産できたかを意味する。

「国際社会における日本の労働生産性は低い」と評価されがちだが、計算方法や就労者数、失業者数などに影響を与える各国の産業構造が異なるため一概に高低を判断することできない。

 

一方で、日本国内比較では中小企業の労働生産性は大企業と比べて低く、圧倒的多数(99.9%)を占める中小企業の労働生産性の向上は急務の課題である。

 

後継者問題やIT投資の遅れなどにより、昔ながらの生産工程や業務に終始している企業も多く、中小企業の労働生産性は低水準となっています。そのため、中小企業がいかに労働生産性を向上できるかによって、今後の日本の経済成長が左右されると言っても過言ではありません。

 近年ではクラウドを利用したITシステムも充実してきており、資金力が少ない中小企業においてもIT投資を行いやすくなっています。また、中小企業庁が推進する先端設備等導入計画の利用も効果的です。

業種別労働生産性

従業員一人当たりの労働生産性は、業種別や産業別によっても大きく異なります。

 

日本では、情報通信業や学術研究、卸売業は一人当たりの付加価値額が高くなり、飲食や宿泊、福祉や介護などのサービス産業では一人当たり付加価値額は低くなる傾向がみられます。そのため、サービス産業においては、労働者のスキルアップにつながる社員教育や 業務改革の実施だけでなく、労働環境の整備や労働生産性向上におけるIT設備への投資などが求められます。

労働生産性向上における問題点

日本独自の人事評価制度の存在

日本の人事制度は、成果よりもプロセスを重視する内向きの評価体制と「残業すること」が美徳とする企業内文化の蔓延から、適正な人事評価がされていない傾向がみられます。また、年功序列や終身雇用を前提にした人事制度による、有能でない人物の昇進・昇級、無意味な会議や業務の多さなども労働生産性向上の障害となっていると考えられます。

このような人事評価制度のままでは、労働生産性向上は望めません。

規制緩和の遅れ

ホワイトカラー・エグゼンプションや女性活躍推進などの働き方改革は、労働生産性向上には欠かせない取り組みと考えれます。一方で、対象となる労働者範囲(年収1,000万以上の給与所得者)の規制緩和や、子育て・介護支援といった労働者保護政策の遅れも指摘されています。

また、日本は厳格な労働基準法が適用されており、企業や経営者による従業員の解雇が実施しにくく、結果として労働力の流動に悪影響を与えているといわれています。

そのため、従業員の仕事や業務に対する意識が薄く、労働生産性向上の阻害要因となっている可能性も指摘されています。

生産性に対する経営者・従業員の意識

日本の経営者や労働者は、生産性に対する意識が低く、組織全体で労働生産性を下げていると指摘する声も見受けられます。

「残業代を稼ぐことで手取りを増やしたい」という、若年労働者中心とした就業者の意識は業務効率化や時間管理術を身につける機会の損失につながっている可能性があります。また、残業代ありきの給与の支給は、実力以上の生活水準を高める原因ともなり、将来的に従業員が管理職登用の拒否や安易な転職につながってしまいます。

日本人の管理職や経営者は、従業員の残業を前提としたスケジュールや予算を作成する傾向がみられます。

これは「管理者が効率を重視しない」、もしくは「人員増強によるコストよりも既存従業員の残業代の方が低い」という意識が原因と考えられます。

経営者の考え方(マインドセット)は、企業全体の労働生産性に大きく影響を与えるため、大きな権限や役職を持つ人材が率先して、意識を改めなければいけません。

さらにビジネスモデルの高付加価値化を目指さず、過度な値下げ競争を繰り広げているケースも散見されます。高付加価値化が実現できなければ、一人当たりの付加価値も低水準となり、従業員の所得を向上させることもできません。その結果、採用難や人手不足に陥る可能性が高まります。

 

これらの改善も生産性の向上には不可欠なのです。

 

新たな労働力

日本はこの先未曾有の『人手不足』に陥ります。それは『労働力が無い』という意味とは違います。実は、働きたいと思っている人は沢山いるのですが、その力を活かせていないのです。時代の変化と共に『労働力』も変化します。ある意味、その形に合わせた『サービス』や『商品』が産業、経済を支えて行くのだと思います。

たとえば運送業は人手不足に苦しんでいますが、ドローン技術や無人運転などの技術革新によって近い将来、突破口を見出すかもしれません。そして、それを支える『労働力』は現在『ニート』の『ゲーマー達』の特殊スキルかもしれないのです。

『労働力』③で『新たな労働力』を掘り下げます。

最後に僕の健常者だった時のアルバイト経験談をご紹介して終わります。

 

見てね‼『深夜バイト』